大気中に微粒子が浮遊している系を「エアロゾル」と呼びます。粒子そのものを指すときは「エアロゾル粒子」となりますが、特に区別せずに用いられることもあります。エアロゾル粒子の大きさは数nmから数10μm程度まで広範囲に及び、その化学組成は発生源や生成過程によって大きく変わります。図1はエアロゾル粒径分布を例示したものです。数濃度で見るとほとんどが粒径100nm以下の超微小粒子 (UFPs)の範囲にありますが、質量濃度のほとんどはそれより大きい範囲に存在します。エアロゾルは都市域における主要な大気汚染物質であると同時に、太陽光を遮ることでグローバルな気候にも大きな影響を及ぼします (図2)。エアロゾルの物理・化学特性の解明は、エアロゾルの環境影響を評価する上で鍵となります。
図1. 大気中のエアロゾル粒径分布の例。
図2. エアロゾルの大気環境影響。
参考図書
- Seinfeld, J. H., & Pandis, S. N. (2016). Atmospheric chemistry and physics: from air pollution to climate change. John Wiley & Sons. ISBN-13: 978-1118947401